2013年6月25日火曜日

『心象楽園/School Lore』 について



もくじ

第一話 「欅澤杜花周辺」

第二話 「嫉妬と憧憬」

第三話 「天原アリスの憂鬱」

第四話 「錯覚残滓」

第五話 「劣等感の熱情」

第六話 「心象楽園/怨嗟慟哭」

第七話 「深淵を覗く」

第八話 「恋慕クオリア」

第九話 「心象楽園/構造少女群像 前編」

第十話 「心象楽園/構造少女群像 後編」

第十一話 「狂人達の夢」

第十二話 「幻華庭園」

SS1 「終の少女」







 執筆期間 約4カ月
 文章量  約593,000字 原稿用紙換算 約1,500枚程度
 構成   エピローグ含め12章


 内容




 良家の子女を預かる小中高一貫校『観神山女学院』は、学院の代表たる『七星市子』の自殺以来、薄暗い空気に包まれていた。

 七星市子を小等部以来『姉』としたい続けていた『欅澤杜花』もまた、彼女の死を受け入れられず、鬱屈とした精神の中、彼女の自殺の話題を避け、平穏に暮らす努力を続けて来た。

 しかし彼女の死後、実しやかに囁かれる『黒い影』の噂があり、その姿が自殺した七星市子のものであると生徒達の間で話題になり始める。 

 慕い続けた『姉』の死に向き合う時が来たのだと感じ始めた杜花は、親友の『満田早紀絵』と共に、影の調査に乗り出そうとする。

 だがそんな折、七星市子の義理の妹を名乗る『七星二子』が現れる。

『姉の残したものを探す手伝いをしてほしい』

 突如現れた、七星市子と同じ顔をした妹の申し出を受け、杜花達は学院の中に散りばめられた、七星市子の遺物、そして黒い影を探索する為、学院の深い場所へと、足を踏み入れて行く事になる
 
 



 登場人物

 欅澤杜花(けやきざわ もりか)

 高等部二年生。
 自殺した七星市子(ななほし いちこ)の姉妹制度上の妹。序列は二番。
 地元神社の『欅澤神社』跡取り。
 成績優秀、品行方正、高身長で容姿にも優れ、市子にもっとも寵愛を受けていながら、本人もまた生徒達に『御姉様』と呼ばれる立場にあり、困惑している。 
 市子の不要な噂を取り除くべく立ちあがろうとするも、そのタイミングで編入してきた義理の妹を名乗る『七星二子』(ななほし にこ)の登場に頭を悩める。 
 特定の物事以外では自分を評価しておらず、謙虚が嫌味に取られる事もしばしばある。


 満田早紀絵(みつた さきえ)

 高等部二年生。
 杜花のお付き。姉妹ではないが、杜花に付き添っている為、市子と同派閥と括られている。
 ミツタ運輸グループ創業者一族の長女。運輸王の娘。
 大変に気が多く、恋人(女性)の数は片手では数えられない。
 市子の死によって杜花に取り入りやすくなったと喜んではいたが、市子とも長い付き合いになる為、その心中は複雑である。
 おちゃらけた雰囲気はあるが、誰よりも物事を冷静に、論理的に見ている。
 杜花の手助けをしようという気持ちと、オカルト好きも災いし、『黒い影』の一件に深く食い込んでしまう。


 天原アリス(あまはら ありす)

 高等部二年生。
 市子の元妹で、序列は一番。
 アジア戦火以降躍進し、総理大臣も輩出した政治一家天原家の三女。
 高等部生徒会生徒会長。
 生真面目で勤勉、しかし面白い事好きという大らかな一面を併せ持つ。自身に強い矜持を抱いているが、杜花達の前では一歩引いている。
 杜花、早紀絵と大変仲が良く、神の如く敬っていた市子の死後露わになってしまった自分の感情に頭を悩ませている。
 イギリス人とのハーフ、金髪碧眼だが、本人は純粋な大和撫子である。


 三ノ宮火乃子(さんのみや かのこ)

 高等部一年生。
 杜花を慕っていた一人。
 世界シェアも高い三ノ宮医療製薬創業者一族の次女。実質的な跡取り。三年に姉の『風子』(かぜこ)がいる。
 内気で目立ちたがらないが、七星二子には敵意を向けている。
 市子の死後めっきり笑顔の減ってしまった杜花に不安を抱きながら、同寮で同室の末堂歌那多(すえどう かなた)に慕われ、自身の恋心に胸を痛める。
 大変頭が良く、とある事情で『黒い影』の話題に首を突っ込むが……。


 七星二子(ななほし にこ)

 高等部一年生。
 自殺した七星市子の腹違いの妹。
 日本国の心臓部で血液ともいえる、七星財閥の娘。
 市子の死後半年で編入手続きは終えていたが、出て来たのは一年後である。
 例外の塊のような人物で、厳格な規律や校訓など一切通用しない。その権威で無理矢理杜花の同室に紛れこむ。
 姉が残したものを探すのを手伝って欲しいと申し出るが『性格を悪くした市子』と揶揄され、杜花は協力こそするものの、素直には承諾されなかった。
 大変姉を慕っており、学院にやって来たのも、遺物探しだけでもない様子だ。


 七星市子(ななほし いちこ)

 享年十七歳。
 事件の大本となる自殺事件の当事者。
 七星家当主『七星一郎』の正妻の娘。
 どこを切り取っても批判しようのない、皆の『御姉様』だった。七星派は数十人に昇り、その中でも特に杜花とアリスを可愛がっていた。
 自殺する動機がまるで見当たらない為、その死は長い間学院の内外で話題となる。
 遺書も見当たらず、もっとも理由としてありえるものとして、七星を継ぐ重圧に耐えられなかったとされたが、実際のところ解っていない。
 二子の話では、市子は死ぬ間際、学院内に『結晶』と、杜花に宛てた『手紙』を残したとされるが……。



 近未来の全寮制女子校 超高度情報社会にありながら、恩恵がほぼない隔絶された箱庭で暮らす少女達の群像劇。    




 ※毎週金曜夜八時更新予定。

 本作品はフィクションです。作中に登場する人物、団体、企業、国家は全て架空のものであり、一切関係ありません。

        
    


2 件のコメント:

  1. すごく面白かったです!
    この作品に出会えて本当に幸せです。
    これからもがんばって下さい。
    新しい長編期待して待ってます。

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  2. >匿名氏
    そういって貰えると凄く嬉しいです。有難うございます。
    他のオリジナルとか同人とかに時間を取られててなかなか此方が進みませんが、ね、年内には……。

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